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テロメア維持機能障害とは

先天性角化不全症はテロメアが極端に短いことにより発症する病気です。

先天性角化不全症だけでなく、Hoyeraal Hreidarsson症候群、Revesz症候群、Coats plusもテロメアが短いことにより発症することがわかっています。

 先天性角化不全症(DC)は、医学論文で発表された、最初の「テロメア障害(TBD)」です。当初は、「爪の萎縮,口腔内白斑,皮膚色素沈着」の3つの症状が報告されました [1]。

 多くの場合、先天性角化不全症は20才までに発症します。その一方で、若年成人で症状が現れる方もいらっしゃいます [2, 3]。

先天性角化不全症は、Hoyeraal Hreidarsson症候群(HH)、Revesz症候群(RS)、Coats plusという幼児期や小児期に発症する3つの症候群と関連しています。これらの疾患は、先天性角化不全症と同様に「テロメアの欠陥」が原因で発症します。

さらに、現在ではテロメア障害の関連疾患として、テロメアが原因の肺線維症が関連疾患と考えられており、これは成人期以降に発症します。

 当初、「再生不良性貧血」や「骨髄異形成症候群」と診断されていた中、テロメア検査を行い、テロメアの短縮が認められた方や、遺伝子検査でDCの原因遺伝子が発見された方、が多いです。

 再生不良性貧血で行われる、通常の免疫抑制の治療は、先天性角化不全症では効果がなく、蛋白同化ステロイドでの維持療法や、骨髄移植が適応になることが多いです。

 しかし、骨髄移植で、骨髄の症状が治っても、成長とともにそれ以外の臓器に症状が現れてきます。また、変異遺伝子の種類によっては、血液の症状がでない場合もあります。

参考文献
  1. Walne AJ, Dokal I. Dyskeratosis Congenita: a historical perspective. Mech Ageing Dev . 2008;129(1-2):48-59.
  2. Vulliamy TJ, Kirwan MJ, Beswick R, et al. Differences in disease severity but
    similar telomere lengths in genetic subgroups of patients with telomerase and shelterin mutations. PloS One . 2011;6(9):e24383.
  3. Fogarty PF, Yamaguchi H, Wiestner A, et al. Late presentation of dyskeratosis congenita as apparently acquired aplastic anaemia due to mutations in telomerase RNA. Lancet . 2003;362(9396):1628-1630.

私達にできること

私たちは、先天性角化不全症(先天性角化異常症)をはじめとする、テロメア短縮を伴う疾患のサポートグループです。

病気の概要を日本語で提供していきます

日本の診療ガイドラインは、主に血液の症状にフォーカスして書かれています。しかし、先天性角化不全症は、全身へ症状のでる疾患です。私達は、国際的な患者会で提供されている、500ページにも及ぶ、各臓器のガイドラインを参考に、少しずつ、日本語での情報を提供していこうと考えています。

患者同士のつながりを広げていきます

100万人に一人といわれる稀少疾患のため、日本国内には単純計算で100人程度と考えられます。同じ疾患の人と出会える機会が少なく、日本国内の専門家や治療の情報を得ることがとても難しい状況です。私達はSNSを通じて数人での情報交換グループを作りました。まずは、ご連絡ください。大きなことはできないかもしれませんが、少なくとも、同じような悩みに共感し、私達の知っている情報をお伝えすることができると思います。

国際的患者会(Team Telomere)から情報を得られます

Team Telomereのアンバサダーになってくださっている方がおられます。日本国内だけでは、情報が不足している時、アメリカをはじめ各国の最新の治療情報を得たり、海外の専門医師とつながるお手伝いをすることができます。

日本でのより良い治療につなげたい

人のつながりから得られる日本の情報、国際的な患者会から得られる最新の情報などを集約し、日本でのよりよい治療を目指して活動していきたいと考えています。

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