肝臓

19.肝移植

 肝移植は、小児および成人の急性肝不全や慢性肝疾患の合併症の患者に対して、生存期間を延長し、QOLを高めることを目的として行われています[1, 2]。

 この10年間で、先天性角化不全症(DC)やテロメア生物学的障害(TBD)に関連する重症肝疾患の少数の患者さんで、肝移植の症例が報告されるようになりました。これらの報告は少ないものの、DC/TBDおよび関連する肝合併症の患者の肝移植が有用である可能性が注目されています[3-9]。

肝移植の歴史

 最初の肝移植は、1960年代にコロラド大学のThomas Starzl博士によって小児に行われました[10, 11]。それ以来、外科的技術、術後管理、免疫抑制治療を含む肝移植の科学的な進歩は、移植患者とグラフト(移植された肝臓)の生存率を著しく向上させています。米国だけでも年間8000例以上の肝移植が行われ、移植後5年の生存率は小児・成人ともに70-90%です[1,2,10-12]。

肝移植の適応

 患者が肝移植を検討することになる理由はいくつかある [1, 2, 10, 11]。第一に、非転移性肝腫瘍または肝臓を中心とする代謝性疾患であって、内科的または外科的治療が適当でないまたは難治性の場合、肝移植が適応となる場合がある。また、血清アルブミン、ビリルビン、INR/PTの異常、高アンモニア血症などの著しい肝機能障害を伴う急性増悪や慢性肝不全で、肝性脳症に至った場合にも、肝移植が検討されることがある。第二に、難治性腹水、静脈瘤出血などの慢性肝疾患の合併症や、肝肺症候群や門脈肺高血圧症などの門脈圧亢進症の肝臓合併症のために、肝移植が適応となることもあります。さらに、小児患者は、慢性肝疾患が体重増加不良や成長障害を引き起こす場合にも、肝移植が考慮されることがある。肝移植医師への紹介を行うタイミングは、臨床状況によって大きく異なり、緊急、または先を見越してのこともある。

DC/TBDと肝移植

これまで、少数ながら小児および成人DC/TBD患者において、肝移植が報告されている(表)[3-9]。肝肺症候群を疑うような進行性の呼吸困難と低酸素症はすべての患者に認められ、肝移植の主な適応の一つで ある。また、腹水や静脈瘤を伴う非代償性肝硬変も5例中3例で認められた。これらの報告では、長期追跡調査の期間は、数ヶ月から1例では10年までと様々であった。これらの症例が発表された時点では、すべての 患者のDC/TBD関連肝疾患の合併症が改善され、生存していることが報告されている。

肝移植の検討

一般に、経験豊富な移植施設での正式な肝移植評価は、その時点で肝移植が有用かどうかを判断し、移植の禁忌となりうるものを除外し、移植のプロセス、利益、リスクについて患者と介護者が知識を深めることを目的としています [1, 2]。これらの目標を達成するために、肝移植評価では以下のことが行われます。

  • 肝疾患およびその合併症の診断、程度や 深刻さの確認。
  • 肝移植の緊 急性の判断。
  • 全身の併存疾患の特定と評価、および肝移植前の患者さんの状態を最善にするための管理計画の提案と調整。

肝移植評価は、大規模な学際的チームによって構成され、それぞれの専門知識を駆使して、患者さんの個々の必要性に応じた肝移植評価・調査を行います。このチームには通常、移植外科医、移植肝臓専門医、移植コーディネーター、感染症専門医、ソーシャルワーカー、栄養士、移植薬剤師、移植麻酔医、心理学者/精神科医、移植財務コーディネーターなど多くの専門家が参加します。患者さんの臨床状況によっては、肝移植評価において、心臓専門医、肺専門医、腎臓専門医、血液専門医、遺伝/代謝専門医、歯科医師など、さらなる専門家との相談が必要になる場合もあります。

 原疾患の現在の進行度と重症度、および患者さんの多臓器状況を確認するため、肝移植の評価では、臨床検査や診断検査、内科、外科、病理学の病歴を再確認します。追加検査や新たな専門医の診察によって追加の評価が必要な場合は、移植評価の一部として指示されます。この幅広い評価により、肝移植チームは患者さんの肝臓、心肺、腎臓、免疫、栄養状態について明確な判断を下すことができるようになります。

 生涯にわたるケアが肝移植の成功の前提であるため、心理社会的評価は、移植評価のもう一つの根幹となる側面である。この意味で、医学的なアドヒアランス(患者が医療従事者の指示通り治療を受けること)に対する心理的、物理的な障害は、治療成績への悪影響を避けるために、移植前に特定し、対処する必要がある。成人患者の場合、薬物およびアルコール中毒による破壊的な行動が続くと、移植の禁忌となることがあります。このような理由から、心理学者、ソーシャルワーカー、精神科医は肝移植チームの一員として、患者さんとそのご家族のために社会的・心理的支援体制を整える必要があるのです。

 肝移植の評価プロセスでは、移植の禁忌、肝外悪性腫瘍や全身性感染症などその時点で移植のリスクが高い状態、肝移植後に合併症の可能性がある状態、あるいは患者の全身状態が肝移植から恩恵を受けにくいと思われる状態を特定することも極めて重要である。

 肝移植評価の終了時に、各移植センターの多職種チームは、肝移植の適応、重症度、緊急度について一致した判断を下します。各移植センターは、その時点で患者が肝移植の有益性があるかどうかをチームで判断し、有益性がある場合は、患者/家族が同意すれば、患者を移植のためのリストに登録します。この移植適格性の判断は施設に依存し、移植施設によって異なる場合があります。患者さんとそのご家族は、異なる移植施設で移植評価プロセス全体を繰り返した場合でも、適格性の判断が異なる場合があります。

DC/TBDで肺の症状がある患者さんでは、肺線維症、肺動静脈瘻、肝肺症候群(HPS)などの肺の合併症の程度を評価するために、循環器内科や 肺専門医による心肺の評価と特別な画像診断(CT、バブルコントラスト心エコー、アルブミン肺血流スキャンなど)は特に重要です。HPSは肝移植により回復可能であるが、肺線維症は回復不可能であり、肝移植の適格性に影響を与えるだけでなく、肝移植後の経過を複雑にするため、これらの疾患の区別が重要です。肝硬変の小児におけるHPSの治療には、肝移植が適切である。肝硬変以外の肝疾患の患者には、DC/TBDの患者のように、外科的またはIVR(画像化治療:インターベンショナルラジオロジー)による門脈シャントの閉塞など、移植以外の代替療法を検討することが必要である。これらの治療法が適用されない患者には、肝移植が適応となることがある。

肝移植の種類

移植用肝臓は、脳死ドナー(肝臓全体または肝臓の一部)から提供される場合と、肝臓の一部を提供する生体ドナーから提供される場合があります(図) [1, 2, 10-12] 。臓器の不足が肝移植の主な制限要因でありますが、技術革新のおかげで、脳死ドナーや生体ドナーから肝臓の一部だけを安全に移植することができるようになりました。これにより、利用可能な臓器の供給量がさらに拡大し、小児における待機死亡率が大幅に減少しました。

  • 全肝移植:全肝移植は、サイズが一致した脳死ドナーから移植する。ドナーと患者の肝臓サイズの不一致があると、移植できない。
  • 縮小グラフト:肝臓を患者に合うサイズに縮小して移植する。
  • 部分肝移植:肝臓は自然に2つの部分に分割ができる。患者の肝臓の大きさに応じて、成人の脳死または生体ドナーから肝臓の一部を入手することができます。幼児・小児では、脳死または生体ドナーから左葉の一部を移植することが検討されます。
  • 生体肝移植(LDLT):解剖学的な検討とドナーと患者の肝臓の大きさに応じて、肝臓の左/左外側部分または右葉のいずれかを移植に使用することができます。ドナーも患者も数週間から数ヶ月で肝臓が成長し、再生します 。

これらの肝移植の手法を比較した研究では、この最後の手法(生体肝移植)が手術後合併症の割合が高いことが判明している[1]。しかし、患者の長期生存率は、脳死全肝移植と同等であると考えられる [1, 10]。患者に肝移植が必要と考えられる場合、生体ドナーの提供を受けられるかどうかの適切性は、患者の現在の肝臓の解剖学的構造、患者が必要とする臓器サイズ/関連組織、および、患者とドナーに対する生体肝移植の外科的リスクによって決まる。生体肝移植を適用するには、次の3つのことを強く考慮する必要があります。

  1. 患者の長期生存の可能性が高いこと。
  2. ドナーが死亡する危険性が低いこと。
  3. ドナーは、提供を行うことによる潜在的なリスクについて十分な説明を受け、それでもなお、自由な意思で手術を受けることに同意する必要がある。

したがって、生体肝移植は通常、脳死移植が選択肢にない場合、または脳死者の臓器が入手できない場合に検討される。患者にとって生体肝移植が適切かどうかの判断は、移植施設に依存し、施設間で異なることがある。また、生体肝移植はすべての移植施設で行われているわけではないので、初回評価時にその可否を検討する必要がある。

脳死肝移植・生体肝移植の選択

脳死ドナーからの臓器が利用できるようになると、移植チームはドナーの臨床的および生化学的特性を慎重に検討し、レシピエント候補に関する移植の適合性を評価します [1, 2, 10, 11, 14] 。 ドナーの血液型、年齢、感染状態、集中治療室での入院期間、血行動態の安定性、肝脂肪浸潤の推定値などは、移植の結果に大きく影響することが判明しており、重要な要因の一部です。さらに、適切な実質容積が移植の成功の基本であることから、ドナー肝臓の大きさにも特別な注意が払われます。

生体ドナーを検討する場合、ドナー評価の第一の焦点はドナーの安全性です。そのため、バイアスや利益相反を避けるため、ドナーを評価するチームは患者(レシピエント)側とは別のチームで構成する必要があります。生体ドナー肝移植プログラムでは、ドナーは健康な成人で(通常18歳から60歳)血液型が適合しており、肝機能検査が正常であることが求められます。また既往歴や手術歴が適切であることが求められます。

ドナーの受け入れ基準は施設によって若干異なる場合があります。これらの基準を満たしている場合、ドナー候補者は移植外科医及び肝移植専門医と面談し、生体肝移植についての話し合いが行われます。ドナー候補者が生体肝移植への継続的かつ自発的な意思を表明した場合、包括的・心理的検査が行われます。これには、複数回の診察、追加血液検査、ドナーの肝臓の解剖学的特徴をより正確に把握するための腹部画像検査、肝生検などが含まれます。ドナー候補者の多臓器評価のための追加検査も、安全性評価のために必要となる事があります。評価プロセスには通常2~4週間ほどかかります。すべての情報から、ドナー評価チームは医学的・外科的・心理的観点から安全性及び生体肝移植を受ける適性を評価します。

患者の両親や兄弟姉妹は生体肝移植のドナー候補を望むことはできますが、DC/TBD患者の家族のように患者と同様の肝疾患の遺伝子変異のキャリアである場合、病気の再発の懸念から他のドナーが必要になる場合があります。

肝移植のタイムライン

移植待機期間中の術前管理は、患者の臨床状態を最適化するために極めて重要です[1,2]。この期間中、患者は入院が必要となる場合もあれば、綿密なフォローアップのもとで在宅管理される場合もあります。移植登録中は、患者は引き続き肝臓専門医チームと移植チームによる外来フォローを受け、移植登録情報の更新に必要な検査及び診察を受けます。

適切な脳死ドナーの臓器提供が受けられる場合、または生体肝移植が予定されている場合、患者は術前に入院し、肝移植手術は最大12時間かかる場合があります。その後、患者は術後の管理のため集中治療室(ICU)に移されます。

通常、数日後にはほとんどの患者が一般病棟に移動できます。入院期間は患者の全身疾患の程度によって大きく異なります。

肝移植の合併症

合併症は術後早期だけでなく、移植後数か月、数年経ってから表れる可能性があります{15-19}。重要な合併症について以下に簡単に説明します。

移植臓器の機能不全:これは早期再移植(二回目以降の肝移植)の最も一般的な理由です。移植臓器一次機能不全は、術中または術後数時間に発生する可能性のある早期移植臓器不全を特徴とします。これは多因子であると考えられており、高齢ドナー、血行動態の不安定性、ドナーの不適格性、冷虚血時間、再灌流障害など、複数の要因が関与しています。

血管合併症:肝動脈血栓症(HAT)は最も一般的な血管合併症であり、小児患者では成人患者の3~4倍多く発症します。移植後早期にHATが発生すると、虚血性移植片障害を引き起こし、再移植が必要となります。HATの後期合併症は、肝内胆汁性仮性嚢胞や胆道狭窄などの胆管合併症を引き起こす可能性があります。まれに門脈血栓症が発生することがあります。これは急性期の症状で、患者は移植不全の兆候を示すことがありますが、その後門脈血栓症が進行し、血小板減少、脾腫、または消化管出血を伴う門脈圧亢進症の兆候として現れることがあります。

胆道系合併症は肝移植を受ける患者にとって依然として一般的な疾患であり、脳死ドナー移植では10~15%、成人及び小児生体間移植または分割肝移植では15~30%と推定されています。胆管合併症には術後早期に発生する傾向がある胆汁漏や、後期に発生することが多い胆管狭窄も含まれます。前述のように、HATは胆汁漏の主な危険因子の一つです。

出血:出血がある場合、通常は肝移植後48時間以内に発生します。通常は経過観察されますが、成人及び小児の患者の10~15%は出血源を特定するために外科的検査が必要になる事があります。

拒絶反応:免疫抑制剤が投与されない場合、患者の免疫機能は移植された肝臓を必然的に異物と認識し、移植片自体を破壊しようとします。患者の免疫機能が移植臓器に炎症や損傷を引き起こす過程を拒絶反応といいます。この過程を最小限に抑えるために、移植手術と同時に免疫抑制剤が投与され、移植後も継続されます。患者にとって十分な免疫抑制を決定することは、拒絶反応のリスクと過剰な免疫抑制による感染のリスクとの間のバランスを継続的に保つことです。

拒絶反応は

超急性期 移植から数分~数時間以内に発症します。通常は抗体と補体を介して起こり、一般的に不可逆的です。

急性期 移植後数週間~数か月以内に発症することが多いですが、いつでも起こり得ます。Tリンパ球を介したものであり、一般的に現在利用可能な免疫抑制剤に反応します。患者は症状を伴わずに肝酵素の上昇を呈する場合もあれば、全身倦怠感や腹部不快感などの非特異的な症状を伴うこともあります。肝生検により急性の細胞性拒絶反応の診断が確定します。治療には、患者の免疫抑制レベルを上げる措置が含まれ、通常は短期間の高用量ステロイド点滴と、ベースラインの免疫抑制レベルの上昇が含まれます。免疫抑制剤の変更や追加を検討されることがあります。

慢性期 これもTリンパ球を介したものであり、術後数か月~数年かけて発症します。この過程には長期的な移植片不全と肝線維化を伴い、進行性胆汁うっ滞として現れ、多くの場合免疫抑制剤に反応せず、後期の移植不全を引き起こします。

・感染症:持続的な免疫抑制により免疫系が弱まるため、肝移植を受けた患者はウイルス(特にサイトメガロウイルス、EBウイルス、帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス)、細菌(マイコバクテリア、リステリア、ノカルジアなど)、真菌(ニューモシスチス・イロベチー、アスペルギルス、クリプトコッカスなど)の日和見感染のリスクがあります。さらに、長期入院や侵襲的な処置は肺炎、胆管炎、細菌血症、尿路感染症などの院内感染症を引き起こす可能性があります。これらの患者の感染リスクを抑えるために、特定の症例における抗菌薬の予防的使用、可能な限りの免疫状態の最適化、そして高リスク要因の暴露回避などが重要です。移植チームは、免疫抑制不足(拒絶反応)のリスクと、免疫抑制過剰(感染症や薬の副作用)のリスクの間を常に慎重なバランスを保つよう心がけています。

・移植後リンパ増殖性疾患(PTLD):典型的にB細胞の制御不能な増殖を伴い、良性リンパ球増殖症から悪性リンパ腫に至るまで、多様な疾患群が含まれます。研究により、T細胞免疫抑制の程度と血清中のEBウイルスの状態がPTLDの主なリスク因子であることが示されています。特に、EBウイルス陽性のドナー臓器を移植されたEBウイルス陰性の患者はPTLDを発症するリスクが最も高くなります。小児患者では、移植前に血清EBウイルス陰性となる割合が高いため、PTLD発症リスクが高くなります。PTLDの治療は、免疫抑制剤の減量または完全中止、抗ウイルス薬の投与、そして最も重篤な場合には化学療法または放射線療法、リツキシマブなどのモノクローナル抗体療法の投与が検討されます。

肝移植患者の長期管理

全ての肝移植患者は、⑴移植片の健康、⑵長期毒性及び関連合併症を最小限に抑えた適切な免疫抑制、⑶原発性肝疾患の再発の管理、そして一般的には⑷肝移植後の健康促進のために肝移植チームによる生涯にわたるモニタリングと管理を受ける必要があります[15,16]。定期的なモニタリングは、移植直後は週一回の診察と血液検査などの包括的に行うべきですが、その後は状態が安定している患者では徐々に間隔を広げることができます。画像検査と、連続的な組織学的評価も、モニタリングの一部です。

免疫抑制

免疫抑制は、拒絶反応とそれに伴う移植片の喪失を防ぐことを目的とした肝移植成功を左右する重要な要素の一つです[15,16]。免疫抑制の管理は、患者の状態と併存疾患、肝移植の適応、移植から術後までの期間に基づいて個別に行われます。一般的に、移植前の初期段階では拒絶反応を避けることが優先されますが、後期には長期的な免疫抑制剤の副作用や合併症を抑制することがより重要になります。移植直後の患者は通常、新しい異物である肝臓に対する体の反応を最小限に抑えるため、高用量の免疫抑制剤を併用投与されます。肝移植患者に対して普遍的に認められた免疫抑制療法はなく、複数の薬剤を併用することも可能ですが、カルシニューリン阻害剤は長期の免疫抑制維持の基盤となります。移植時に、一部の患者は、ステロイドとカルシニューリン阻害剤に加えて、インターロイキン2受容体に対するモノクローナル抗体であるバシリキマブを用いた、いわゆる導入療法を受ける場合があります。バシリキマブはTリンパ球の増殖を阻害します。全身性ステロイドは、移植後数週間から数ヶ月以内に中止できる場合が多いです。カルシニューリン阻害剤は、Tリンパ球の働きを阻害することで作用する薬剤の一種で、シクロスポリンやタクロリムスなどが含まれます。シクロスポリンは1980年代にはじめて使用され、移植片拒絶反応を劇的に減少させることが判明し、移植手術の飛躍的な進歩をもたらしました。長年にわたり、シクロスポリンは拒絶反応の予防に効果的でしたが、歯肉腫脹、多毛症、腎毒性、神経毒性、高血圧などの副作用の可能性が低いタクロリムスに置き換えられています。シクロスポリンとタクロリムスはどちらも1日2回の投与が一般的で、液剤またはカプセルとして経口投与摂取できます。患者の免疫抑制状態は、連続採血によってモニタリングされ、薬物トラフ値を評価し、その後は推奨される目標トラフ値を維持するように投与量を調整します。患者ごとの免疫抑制剤の投与目標範囲は、併存疾患、感染リスク、移植時期によって異なります。一般的に、免疫抑制レベルは移植直後に最も高く、その後徐々に低下していきます。薬剤濃度のモニタリングは、移植直後は頻繁に行い、その後は患者の状態が安定していれば間隔をあけて実施します。

ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、シロリムスは、特定の患者に使用可能な追加の免疫抑制剤であり、肝移植の主な適応、拒絶反応の既往、カルシニューリン阻害剤の重度の毒性、ステロイド離脱促進の必要性などの理由に応じて使用されます。これらの免疫抑制剤は全て、副作用のモニタリングが必要です。薬剤の副作用は、移植直後に高用量の投与を行う際に多く見られますが、慢性的な薬剤毒性についてもモニタリングする必要があります。免疫抑制剤は、腎機能障害、高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームのリスク増加と関連しています。患者は定期的に身体検査、血圧検査、血液検査(クレアチニン値、血糖値、脂質等を含む)を受けて腎機能及び糖尿病や心血管疾患の有無を評価します。さらに、免疫抑制剤は感染性合併症や悪性腫瘍の発生リスクを高めるため、移植患者は常にレベルの高い管理が必要です。

移植チームは、各患者の個々の状態に最適な免疫抑制方法を見つけるため、免疫抑制のリスクと効果のバランスを取りながら継続的に取り組んでいます。ほとんどの場合、移植片の生着を確実にするために、生涯にわたる免疫抑制が必要です。一部の肝移植患者では、免疫機能が移植片に対して寛容性を持つことがあり、肝移植後数年で免疫抑制剤を中止できる場合があります。

まとめ

肝移植は、様々な肝疾患に対する選択肢であり、小児と成人の両方で成功例が確認されています[1,2,10,11]。肝移植を受けるかどうかの決定には、多職種の医療スタッフからなる肝移植チームによる詳細かつ包括的な評価が必要です。

肝移植手術及び免疫抑制剤の短期的/長期的なリスクは、患者の個々の状態に応じて考慮する必要があります。DC/TBD患者の約7%に肝疾患が報告されており、今のところ特異的な治療法はありません[3-9]。重度の肝疾患をもつDC/TBD患者にたいして肝移植を行った症例はわずかです。

これらのDC/TBD患者は肝肺症候群を疑わせる進行性呼吸困難と低酸素症を呈し、一部の症例では非代償性慢性肝疾患も併発していました。現時点では、報告された患者数が少なく、移植後の長期データが不足しているため、DC/TBD関連重症肝疾患における肝移植の役割については合意された推奨は得られていません。しかしこの少ない症例群は、患者によっては早期肝移植が許容可能であることを示しています。

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18.肝合併症

 先天性角化不全症(DC)および関連するテロメア障害(TBDs)の肝障害は、軽度の肝機能検査異常から進行した肝硬変、門脈圧亢進症、肝細胞癌まで様々なものがあります。肝障害の発症時期は様々で、変異遺伝子、病原性変異体の種類、テロメアの長さ、遺伝的表現促進、環境因子との相互作用によって変わります。

肝合併症の概要

 肝障害を持つ患者の多くは高齢で、TERTまたはTERC遺伝子に変異があります[1-3]。実際、DCの特徴である皮膚、口腔内白斑、爪の異常がないTERTまたはTERC変異のある患者では、肝疾患がTBDの唯一の症状である場合もあります [4]。また、再生不良性貧血に伴って肝疾患が発生したり、再生不良性貧血患者の親族に肝疾患が発生し、その方が、TBDのサイレントキャリア(遺伝子変異はあるが、症状が出ない)であるケースもあります。

 しかし、DC/TBDの患者は、若年期に肝疾患を発症するリスクが高いです。10才までに骨髄不全で骨髄移植を受けたDC患者は、特に静脈閉塞性疾患のGVHD(移植片対宿主病)を起こしやすく、移植後に肝硬変がないか注意深く見守る必要があります [5] 。最新の低強度の移植前処置は、肝毒性のリスクを減らすことができるかもしれません [6]。

 さらに、特発性肺線維症患者のごく一部に原因不明の肝硬変が見られることから、テロメアの短縮が肺と肝臓の両方の線維化プロセスに関与していると考えられます [7]。同じテロメラーゼの変異を持つ家族内でも、個人によって症状が違うことに注意が必要です。ある人は肝疾患を発症し、別の人は再生不良性貧血や特発性肺線維症と診断されます [8]。

 肝障害のパターンは様々です。テロメア異常と関連する一般的な肝臓の病態を次に説明します。

肝硬変

 肝硬変は進行性肝繊維症の後期段階で、組織学的に肝構造の歪みと再生結節の形成が特徴です[9]。肝硬変の診断には以前から肝生検(組織検査)が用いられてきましたが、現在では、早期代償性肝硬変患者において、フィブロスキャン(transient elastography)やMRエラストグラフィー(magnetic resonance elastography)などの非侵襲的な線維化評価ツールに置き変わってきています。

 初期には無症状であることが多く、血液検査(肝臓関連の数値)や画像診断の異常から肝硬変が疑われることもあります。

 晩期には、慢性疲労、黄疸(目や皮膚が黄色くなる)、吐血(血を吐く)、腹水(腹水による腹部膨満)、末梢浮腫(足のむくみ)、さらに進行すると、睡眠覚醒周期逆転、意識障害、錯乱、昏睡などの肝性脳症の症状を訴えることもあります。身体検査では、黄疸、クモ状血管腫(胸部などの蜘蛛の巣状の毛細血管の拡張)、手掌紅斑(掌の赤み)、女性化乳房(乳房肥大)などの肝不全の兆候、脾腫(脾臓の肥大)、腹水、羽ばたき振戦などの門脈圧亢進の徴候がみられることがあります。血液検査では、肝細胞酵素(AST、ALT)やアルカリフォスファターゼ(AFP)の上昇がしばしば認められます。

 末期には、肝合成能が低下し、血清アルブミン(血液中の最大の循環タンパク質)の低下やプロトロンビン時間の延長(血液凝固タンパク質の肝での産生が低下していることの反映)を生じることがあります。

 最終的に、脾腫や胃食道静脈瘤などの門脈体循環シャントを含む門脈圧亢進症の徴候と同時に、肝臓の画像診断では、肝表面に結節性変化を確認することができます。

 肝硬変の病態は完全には解明されていませんが、テロメアの短縮が重要な役割を担っていると考えられます。慢性的な肝障害は、肝細胞の増殖、細胞交替、進行性のテロメア短縮に影響し、細胞増殖の停止やアポトーシス(プログラムされた細胞死)を促進させます [10]。テロメアの短縮は肝硬変の形成と関連しています[11]。

 したがって、肝硬変はTBDの直接的な影響だけで発症するのではなく、TERT遺伝子変異がC型肝炎やアルコール関連肝疾患の患者における肝硬変発症の危険因子でもあるのです[10]。TERT遺伝子変異は、これらの疾患の患者さんにおいて、健常者よりも多く見受けられます。しかし、TERT変異が存在すると、疾患がより重篤になるかどうかは明らかではありません。

非肝硬変性門脈圧亢進症

肝硬変は門脈圧亢進症の最も一般的な原因であるが、臨床的に著しい門脈圧亢進症を有する人の約10-15%は、肝線維化が進行していないことが分かっている。結節性再生性過形成(NRH)のような肝組織の様々な形態的変化が門脈圧の上昇を引き起こす可能性がある [12] 。

NRHとTBD関連遺伝子変異の関連は、骨髄不全や肺線維症の有無にかかわらず、いくつかの家族で報告されている [13, 14]。

肝硬変と同様に、NRHの患者は疾患の初期には無症状であることが多いが、多くの割合で腹水や胃食道静脈瘤などの門脈圧亢進症の合併症を発症するようになる。しかし、肝硬変とは対照的に、NRHでは線維化がないため、一般的に合成肝機能は保たれています。

病理診断

肝生検を行うと、組織学的に、線維性架橋形成(門脈をつなぐ線維化)や類洞周囲線維化を伴う肝構造の歪みが認められることがある。炎症性浸潤もよく見られる特徴で、大滴性脂肪変性やマロリー小体を認めることもあります。さらに、門脈や中心静脈周囲の類洞内皮細胞がCD34陽性に染色されることがあり、類洞への動脈血流の異常が示唆される。また、通常、肝細胞に軽度の鉄蓄積を認めます。一方、結節性再生性過形成(NRH)は、組織学的に、顕著な線維化を伴わない小さな再生性肝結節を特徴とする[15]。CD34が類洞内皮細胞で陽性となることがあり、これは門脈圧亢進症と一致する。

肝肺症候群(HPS)

肺線維症や肺気腫はTBDの最も一般的な呼吸器合併症ですが、門脈圧亢進症(肝硬変またはNRH関連)の患者は、肝肺症候群(HPS)のリスクが高くなります。HPSは、肺内血管拡張とシャントによる二次的な肺血管抵抗の低下を特徴とする肝疾患の血管合併症である[16]。非肝硬変性門脈圧亢進症におけるHPSの有病率は約10%と推定され [17]、TBD患者はより高いリスクとなる可能性があります [18]。HPSは、進行性の息切れ、直立姿勢での悪化、低酸素血症(血中酸素濃度が低い)の症状を示す。現在、HPSに対する直接的な治療法はなく、治療は肝移植に限定され、移植後の患者の低酸素症の解消が期待されています。

肝細胞癌

テロメラーゼ変異を有する患者における肝細胞癌の発症が報告されている[10, 19]。しかし、これまでに報告された症例数が少なすぎるため、一般集団と比較してTBD患者における臨床的挙動または腫瘍の侵襲性が異なるかどうかを判断することはできません。肝障害のパターンは、テロメア機能障害によって臓器不全とそれに続く悪性形質転換が起こるという、造血組織で見られる病態と類似しているようです。

その他の症状

肝静脈閉塞症は、DC患者の再生不良性貧血に対するHCT後の合併症である可能性があります [5]。テロメラーゼ変異患者の中には、過度のアルコール使用やメタボリックシンドロームなどの危険因子がないのに、肝脂肪症(脂肪肝)を発症する者もいます[3]。

TBDの肝障害の経過観察

先天性角化不全症を含むTBD患者は、診断時に肝障害のスクリーニングを行い、患者の臨床症状に応じて、およそ1年に1回モニターする必要があります。肝化学検査(アミノトランスフェラーゼ、アルカリフォスファターゼ、総ビリルビン)および合成肝機能のマーカー(プロトロンビン時間およびアルブミン)を実施する必要があります。

肝検査の異常や身体検査で進行した肝疾患を示唆する所見があれば、腹部超音波検査や非侵襲的線維化評価(肝臓や脾臓の硬さ測定による)を含む追加検査を行うべきである。同様に、メタボリックシンドローム、アルコール乱用、C型肝炎などの進行した肝線維症の危険因子がある場合は、MRエラストグラフィまたは超音波エラストグラフィ(フィブロスキャン)を受ける必要がある。他の検査で結論が出ない場合は、肝静脈圧較差測定を伴う経頸静脈的肝生検が必要な場合がある。

また、多剤併用による副作用として、肝臓が大きな懸念材料となります。患者は、処方されたすべての薬について、常に医療チームに報告する必要があります。アンドロゲンを服用している患者は、特に肝臓の合併症を起こしやすいのですが、最近の研究では、これらの患者における肝臓検査異常の割合の増加は認められていません(第10章テロメア生物学における骨髄不全の医学管理も参照)[20]。

肝細胞癌の監視として、腹部画像診断(超音波、CT、MRI)を、肝硬変を発症している人は6ヶ月ごとに受けるべきである。肝肺症候群の検査は、呼吸器症状や 訴えのある場合を除き、特に必要ではない。低酸素症または肺胞-動脈間勾配の上昇を伴う低酸素症がある場合、HPS(肝肺症候群)の診断を考える必要がある。肺内右左シャントの存在を確認するために、造影剤を使用した心エコー図を行うべきである。

他の複雑な多臓器疾患と同様に、TBD患者の治療には複数の専門医が関わる必要があり、すべてのTBD 患者に対し、専門の肝臓専門医への紹介が推奨される。

治療法について

TBDの肝疾患に対する特別な治療法はありません。アンドロゲンは、TBD患者の血球減少を改善するために使用することができますが、肝臓に特異的な効果については、まだ結論が出ていないため、アンドロゲンを投与されている患者は、肝毒性を注意深く監視する必要があります[21]。肝疾患の重症例や肝細胞癌の発症例では、肝移植が選択肢となり、文献に取り上げられることが多くなっています[3, 19, 22-26]。
肝硬変および門脈圧亢進症は、他の病因の場合と同様に、新たな肝障害および他の臓器障害の予防と治療、および症状の管理に重点を置いて管理される。HCT後の肝静脈閉塞性疾患も、他の疾患でHCT(造血幹細胞移植)を受けた患者と同様に、TBD患者でも管理される。
肝疾患の進行は、胃食道静脈瘤や出血、門脈圧亢進性胃腸症、腹水、突発性細菌性腹膜炎、肝性脳症、肝細胞癌、肝肺症候群の原因となることがあります。

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