老化細胞

第5回勉強会&お茶会 開催報告

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2024年2月24日土曜日 19:00~ 第5回の勉強会&お茶会を開催しました。

今回は、名古屋大学の村松先生にご講演いただきました。

私達の病気(先天性角化不全症・先天性角化異常症)は、テロメアが短いことや、遺伝子検査によって発覚するのですが、そのテロメア長の検査を名古屋大学で取りまとめて行ってくださっています。

村松先生は、アンドロゲン(ダナゾールやプリモボラン)に関する情報や、過去~現在の骨髄移植の生存率の情報、肺移植の情報など、私達の疾患に出る幅広い症状に関して情報をまとめて説明してくださいました。

テロメアをマフラーの端のフリンジに例えて、ご説明してくださったのが、私達にもわかりやすくて、印象的でした。

また、名古屋大学では、年間100~150件のテロメアの解析を行っておられ、これまでに数十人が引っかかっているとのことですが、DCと診断された人数は多くないそうです。遺伝子の型によっても重症度が違ったり、症状が異なったり、本当に難しい病気であることがよくわかりました。

質疑では、講演の中でお話があったように、血液だけでなく多くの症状が出る疾患であることから、様々な臓器が悪化して症状が出る前に、定期的に検査することにより、異常を早期発見、早期対処できないだろうかという話題が出ました。現在の日本の医療制度では、予防のために検査を行うことができないという、保険制度の問題もわかってきました。

これからの患者会の活動の中で、村松先生にはダナゾールの保険適用、ガイドラインの改良など、協力しながら勧めていければいいなと考えています。

お茶会もいつものようにわいわいとお話して、情報交換です。いつも、多くの有用な情報をお茶会の場で皆さんから教えていただくことができています。感謝!

また、次回の勉強会やお茶会でお会いできるのを楽しみにしています。

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アステラス製薬 患者会リーダーシップトレーニング参加

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今年度は、アステラス製薬さん主催の患者会リーダーシップトレーニング(全5回)を受講しており、第5回の研修は、アステラス本社での対面での成果発表会でした。これまで4回の研修はオンラインでしたが、グループディスカッションも多く、皆さんと面識はありました。ですが、対面での開催はまた違ったよさがありました。

患者会を始めて1年少し、日々思い悩んでいますが、他の患者会も状況は違っても、同じような悩みを抱えていることがわかり、そしてその対応をお聞きし、先生方のアドバイスをお聞きすることで、参考になる情報をたくさん得ることができました。

患者会の運営は本当に難しいと感じています。様々な背景を持つ人間が、様々な考え方を持ち、病状の深刻さも様々で、病気への向き合い方も様々。ある人には有用な情報も、他の方にとっては心えぐられる内容だったりする。正しいと思うことが、かならずしも正解ではない。

今回の研修で参考になったキーワードを雑多に集めてみました。

  • 情報共有のために有志に体験談を投稿してもらう
  • 患者会アンケートを年に1回実施
  • 患者情報を集めるにあたっての個人情報保護法との兼ね合い
  • 資金や会員集めに注力すると運営内部でギスギスしてしまう。楽しく、心の余裕をもって活動することが大切
  • 「問う」ことを意識するとよい
  • 運営者マニュアルを作成してみた
  • 誰かの犠牲のもとに成り立つ患者会は続かない
  • 「突き進む」だけでなく、「立ち止まる」ことも大切

それぞれの患者会の報告資料がとても洗練されていて、皆さんが真剣に患者会を続けていこうとされている様子がわかりました。ここでできたご縁を大切に、無理のない範囲で楽しく活動していけるようになるといいなと思います。

このような機会をくださった、アステラス製薬の皆様、講師の先生方、そして参加者の皆様、本当にありがとうございました。

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【研究開始】東京大学医科学研究所で先天性角化不全症の研究がはじまります!

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 私達の病気は、100万人に1人といわれている超稀少疾患です。そのため、国内でこの病気をターゲットに研究をしている研究機関はありませんでした。患者会として、「先天性角化不全症を治る病気に!」というスローガンをかかげて活動し始めたなかで、今回、疾患の研究を始めていただけることになりましたので、ご報告します。

1.どこで研究してくれるの?

 東京大学医科学研究所 癌・細胞増殖部門 癌防御シグナル分野 

  中西真先生 ・ 井廻良美先生 ・ 荒谷紗絵先生

 先天性角化不全症は、老化に関係すると言われる、遺伝子の末端にあるテロメアが生まれつき短いことによって発症します。TV番組で老化細胞の研究をされている中西先生のことを知り、お話を伺いに行ったことが、この研究開始のきっかけとなりました。

 中西先生は、正常細胞に備わった発がん防御システムを解明し、革新的ながん予防・治療法の開発を目指しておられます。とりわけ、発がんシグナルによる細胞老化誘導機構や、老化細胞による発がんや加齢制御、さらにはエピゲノム異常による発がん誘導機構を中心に解析を進めておられます。

2.どんな研究?

 先天性角化不全症や、確定診断には至らないもののテロメア短縮によって引き起こされる病気をより正確に理解し、発症抑制方法やより良い治療法を開発することを目指しています。

 私達患者の血液細胞や毛根細胞から疾患iPS細胞を樹立し、それを解析することによって、病気の特徴や性質を研究します。

3.実際の治療に使えるの?

 まずは病気の本質を理解するところから始まります。実際の治療に使えるような結果がでるには多くの時間が必要です。

研究が動き始めたことが、将来の治療法へつながる最初の大きな一歩だと考え、患者会として研究に期待をもって協力していきたいと思います。

東京大学医科学研究所の研究者の皆様、よろしくお願いします!

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京都大学石川冬木先生のもとへ行ってきました

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こんにちは。

先日、運営2人で京都大学 学術展開研究センター長の石川冬木先生のもとへ訪問してきました。

石川先生は、テロメアに関する研究で日本のみならず世界的にもご活躍されている先生です。長きに渡りテロメア関連の研究をされており、日本におけるテロメア研究の先駆者である石川先生にお話を伺いたくお邪魔してきました。

テロメア障害疾患である先天性角化不全症やコートプラス症候群の病態を理解する上で、テロメアを知る事は病気を知る第一歩だと思い、石川先生に連絡しましたところ、快く応じて下さいました。

この日の京都は見事なまでの快晴!

初めて足を踏み入れる京都大学。4月という事もあり、初々しい学生さん達を見て自分の若い頃を思い出しました(余談です)。

石川先生とお会いし、テロメアに関する研究の歴史、テロメアの構造や機能、その役割など、とても詳しいお話を聞かせていただきました。とても分かりやすく説明していただき、大変勉強になりました。

そこから、テロメア短縮のある我々の疾患はどのようなメカニズムで発症するのか、なぜ臓器に障害が生じるのか、沢山質問させて頂きました。

そして我々が現在闘っている症状とはどういったものかをお伝えしました。

一つ一つ、先生に丁寧に答えて頂きました。

さらに、今後の研究や治療法開発に向けてどのような取り組みが必要なのかを教えて頂きました。

気がつけばあっという間に時間が経過していました。緊張している私達のために、気さくにお話して頂き、楽しく充実した時間を過ごすことができました。

貴重なお時間を頂戴しまして、石川先生には心より感謝致します。

京都に行き、石川先生とお会いできたことは患者会にとって大きな前進となりました。

この経験を活かし、今後の患者会活動の発展、先天性角化不全症治療の発展のために尽力していきたいと改めて思いました。

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東京大学医科学研究所の中西真教授のもとへ行ってきました

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こんにちは。亀田です。先日、運営2人で東京大学医科学研究所副所長 中西真教授の元へ伺いました。中西先生は、癌防御シグナル分野の研究をされており、「老化研究・がん化研究」をメインに日本の最新の医学研究に携わっておられます。

中西先生の「老化細胞を除去することで若返りが可能に⁈」というメディアでの報道を拝見し、即座にメールを送ったのがきっかけでした。

「老化細胞=テロメアが極限まで短くなった細胞」

このキーワードは、テロメア短縮をもつ先天性角化不全症やコートプラス症候群など、私たちの病気と無関係とは思えませんでした。

突然のメールにも快く返信して頂き、先日、東京大学医科学研究所の中西先生の研究室にお邪魔させて頂きました。

初めてお会いした中西真先生は、とても優しく、私たちの話をしっかりと聞いて下さいました。

先天性角化不全症の主な症状や、変異遺伝子の種類、国内の患者の現状についてとても親身に話を聞いて下さり、このように国内患者の現状について詳しくお話したのは私たちも初めての経験でした。

そして

・老化細胞が引き起こす様々な症状について

・マウスなどの動物と人間との違い

・研究室から臨床応用への道のりの大変さ

とても沢山の貴重なお話を聞く事ができました。

まず第一歩。患者会として治療法開発に向けて行動できました。待っているだけでは、何も起こらない。

私たちが集まり、患者会を立ち上げ、ここから皆で前進していこうと決意し、まずは小さくても一歩を踏み出せたことを嬉しく思います。

そして、その一歩を快く受け止めて下さいました中西真教授に、心から感謝致します。

先天性角化不全症をはじめとするテロメア障害疾患の根治療法は、世界中をみてもまだ発見されていません。

でも、様々な研究により、テロメア障害疾患のメカニズムや原因遺伝子などか明らかになり、病態把握に関する論文は世界中で発表されています。次なるステップは、治療法を見つけることです。

『先天性角化不全症を治る病気に!!』

このスローガンを掲げて挑みつづけます。

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